ホーム chevron_right ナレッジブログ chevron_right 省エネ chevron_right デマンドコントローラーとは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を紹介

デマンドコントローラーとは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を紹介

2026.06.08

電気料金の高騰が続く中で「基本料金をどう抑えるか」は多くの企業にとって重要な課題となっています。
その中で注目されているのが「デマンドコントローラー」です。

デマンドコントローラーとは、電力の使用状況をもとにピーク電力を抑制し、基本料金の削減につなげるための装置です。
適切に活用すれば、電力コストの最適化だけでなく、エネルギー管理の効率化にも寄与します。

本記事では、デマンドコントローラーの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、具体的な導入の流れまでをわかりやすく解説します。
自社にとって導入すべきか判断するための材料として、ぜひ参考にしてください。

デマンドコントローラーとは?

デマンドコントローラーは、電力の使用状況をリアルタイムで監視し、契約電力の基準となる「最大需要電力(デマンド)」を超えないように制御する装置です。
電力会社との契約では、一定期間内の最大電力が基本料金に影響します。
工場やビルなど、電力使用量が大きい施設では、電気料金の削減やエネルギー管理の効率化に直結する重要な設備といえるでしょう。

デマンドコントローラーの仕組み

デマンドコントローラーとは、一定時間(一般的に30分)ごとの平均電力をもとに、将来のデマンド値を予測しながら制御を行う装置です。

まず、分電盤などに取り付けた電力計から電流値を取得し、リアルタイムで電力使用量を把握します。
そのデータをもとに、30分間の時限終了時における予測デマンド値を演算し、設定した目標デマンドに近づいた段階で制御を開始します。

制御の方法は、あらかじめ優先順位を設定した設備を段階的に停止・出力調整していくというシンプルなものです。

デマンド監視システムとの違い

デマンド監視システムは、電力の使用状況を可視化し、ピークに近づいた際にアラートを出す仕組みです。
担当者がその通知を見て、設備の稼働を調整する必要があり、最終的な対応は人の判断に依存します。
つまり、監視と通知が主な役割です。

一方、デマンドコントローラーは、監視に加えて自動制御まで行います。
目標デマンドに近づいた段階で、設定した設備を自動的に停止・調整するため、人的対応がなくてもピーク電力を抑制できます。

デマンドコントローラーのメリット

デマンドコントローラーを導入すると、電力コストの削減だけでなく、運用面でもさまざまな効果に期待できます。
ここからは、導入によって得られるメリットをご紹介します。

基本料金の削減につながる

デマンドコントローラーの大きなメリットは、電気料金の基本料金を抑えられることです。
電力契約では、一定期間内の最大需要電力(デマンド)が基準となり、その数値によって基本料金が決まります。

一度でも高いピーク電力を記録すると、その値が契約電力として採用されるため、翌月以降の基本料金が上がるという仕組みです。
デマンドコントローラーを導入し、ピーク電力を抑制すれば、契約電力の引き上げを防げます。
こうしたピークカットを継続的に行うことで、無駄な基本料金の増加を防止します。

関連記事:ピークカット・ピークシフトとは?仕組みと電気代削減の理由、工場での実践方法を解説

ピーク電力を自動で制御できる

デマンドコントローラーの特徴は、人が状況を見て判断する必要がなく、ピーク電力の抑制を自動で行えることです。
電力使用量が目標デマンドに近づくと、あらかじめ設定した優先順位に従い、設備を段階的に制御します。

手動での対応では、気づくタイミングが遅れたり、担当者によって判断がぶれたりします。
しかし、自動制御であれば、リアルタイムで一貫した対応が行われるため、ピーク超過のリスクを抑えることが可能です。

電力使用のムダを抑えられる

デマンドコントローラーを導入すると、電力使用のムダを抑えられます。
ピーク電力を意識した運用に切り替えられ、必要以上の同時稼働を避けられるためです。

例えば、複数の設備が同時に稼働している状態でも、優先度の低い機器から順に出力を調整することで、過剰な電力使用を抑制できます。
これにより、使い過ぎている時間帯を減らし、全体の消費電力量の見直しにもつながります。

担当者の運用負担を軽減できる

ピーク電力の監視や制御を自動化できることから、常時確認する担当者を設置する必要がありません。
手動での運用では、電力使用量を確認しながら設備の稼働を調整する必要があります。
時間帯によっては、頻繁に対応が求められるため、担当者の業務を圧迫する要因となりがちです。

デマンドコントローラーを導入すると、人が細かく操作しなくても運用が回るため、日常的な管理の手間を減らせます。
また、監視や記録も自動で行われることから、データ確認や報告業務の効率化にもつながります。
限られた人員で設備を管理している現場では、業務全体の負担軽減に役立つでしょう。

デマンドコントローラーのデメリット

デマンドコントローラーは、電力コストの削減や運用効率の向上に役立ちますが、導入にあたっては注意すべきこともあります。
それでは、デメリットについても見ていきましょう。

導入コストがかかる

本体機器の費用だけでなく、設置工事や設定作業なども含めて検討する必要があります。
設備の規模や制御対象の数によっては、配線工事や既存設備の改修が必要となる場合もあります。
そのため、想定よりも初期費用が高くなるケースは少なくありません。

また、導入後も、定期的な点検や設定の見直しが求められることがあります。
運用を継続する上で、保守費用や管理コストも考慮しておきましょう。

設定や運用に専門知識が必要になる場合がある

デマンドコントローラーは、適切に設定してはじめて効果を発揮します。
目標デマンドや制御対象の優先順位を誤ると、十分な効果が得られないため注意が必要です。

例えば、重要な生産設備を優先度の低い設定にしてしまうと、ピーク時に停止してしまい、業務に支障が出るおそれがあります。
反対に、制御対象を絞りすぎると、ピーク電力を抑えきれないこともあります。

そのため、導入する際は、専門知識を持つ担当者やベンダーのサポートを受けながら進めると安心です。

デマンドコントローラーの導入の流れ

ここからは、デマンドコントローラー導入時の基本的な流れを確認していきましょう。

現状の電力使用状況を把握する

どの時間帯に電力が集中しているのかを確認しないままでは、適切な制御設定ができません。
電力使用量の推移やピーク発生のタイミングを確認すると、どの設備が負荷の原因になっているのかが見えてきます。
設備ごとの消費電力を把握しておくと、どの機器を制御対象にするべきか判断しやすくなります。
そのため、重要度や稼働状況を踏まえながら、優先順位を考えていきましょう。

導入目的と目標デマンドを設定する

目標デマンドは、過去の最大需要電力や電力契約の内容をもとに決めます。
現在の契約電力よりどれだけ引き下げるのかを検討し、無理のない水準を設定しましょう。

また、コスト削減だけを優先すると、設備の稼働に影響が出る可能性があります。
生産や業務への影響を考慮しながら、バランスの取れた目標にしてください。

制御対象設備を選定する

どの機器を制御するかにより、効果の出方や業務への影響が大きく変わります。

基本的には、停止や出力調整を行っても、業務への影響が小さい設備から優先的に選びます。
例えば、空調や補助設備などは調整しやすく、ピークカットの対象として検討しやすい機器です。

一方、生産ラインの中核設備などには、慎重な判断が必要です。
無理に制御対象に含めると、品質や生産性に影響が出る可能性があります。

機器の選定と設置工事を行う

施設の規模や制御対象の数に応じて、必要な機能や接続方法を検討しましょう。

機器の選定では、制御回路の数や拡張性、既存設備との連携可否を確認します。
将来的な設備増設も見据え、余裕を持った構成にしておくと運用しやすくなります。
工事内容によっては、一時的に設備を停止する場合もあるため、スケジュール調整も重要です。

運用開始とチューニングを行う

設置と初期設定が完了したら、運用を開始します。
ただし、この段階で設定が最適とは限りません。
実際の稼働データをもとに、調整を重ねることが重要です。

運用開始後は、デマンド値の推移や制御のタイミングを確認しましょう。
想定より早く制御が入る場合や、反対にピークを抑えきれていない場合は、目標デマンドや制御順序の見直しが必要です。

デマンドコントローラーに関するよくある質問

デマンドコントローラーに関するよくある質問をご紹介します。

デマンドコントローラーの価格は?

デマンドコントローラーの価格は、施設の規模や制御対象の数によって大きく異なります。
小規模な設備であれば、数十万円程度から導入できるケースもありますが、大規模な工場やビルでは、数百万円以上になることもあります。

費用には本体機器の価格に加えて、設置工事・配線工事・設定作業なども含まれることから、制御回路の数が増えるほど機器構成が複雑になり、その分コストも高くなるでしょう。

デマンドコントローラーに使える補助金はある?

デマンドコントローラーの導入には、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。
特に、省エネ設備の導入を対象とした制度が該当するケースが多く見られます。

代表的な制度は、経済産業省や環境省が実施する省エネルギー関連の補助金です。
工場や事業所のエネルギー使用量削減を目的とした設備投資であれば、対象となる可能性があります。

また、自治体ごとに独自の補助制度を設けていることもあります。
地域によって内容や条件が異なるため、所在地の制度も併せて確認しておきましょう。

デマンドコントローラーの仕組みは?

デマンドコントローラーは、電力使用量をリアルタイムで監視しながら、一定時間(一般的に30分)の平均電力をもとにデマンド値を予測する装置です。
電力使用量が目標デマンドに近づくと、設定した優先順位に従い、設備を段階的に制御します。
例えば、空調や補助設備など影響の小さい機器から順に出力を調整することで、業務への影響を抑えながらピーク電力を下げられます。

このように「計測→予測→制御」という流れを自動で繰り返すため、人が都度判断する必要がありません。

まとめ

デマンドコントローラーは、最大需要電力を抑えることで、電気料金の基本料金を見直せる設備です。
ピーク電力の自動制御により、担当者の負担を減らしながら安定した運用につながります。

また、導入の効果を最大化するには、運用開始後のチューニングも欠かせません。
継続的に見直しを行い、最適な状態を維持していきましょう。

渡辺電機工業株式会社では、デマンドコントローラーの導入から運用まで、一貫してサポートしています。
電力の見える化やデータ管理と組み合わせることで、より精度の高いエネルギー管理が実現できます。

電気料金の削減や電力管理の効率化を検討しておりましたら、まずはお気軽にご相談ください。

監修者情報

渡辺電機工業マーケ担当

渡辺電機工業株式会社 マーケティング担当。IoT・遠隔監視ソリューションの情報発信を担い、工場・ビル・インフラ設備における遠隔監視システムの導入事例や最新技術トレンドを幅広く発信。現場の声をもとに、設備管理の効率化・リスク低減に役立つ情報を技術者から導入検討者まで幅広い読者へわかりやすく届けている。

Contactお問い合わせ

製品に関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。
弊社スタッフが迅速に対応させていただきます。