測温抵抗体や熱電対などの温度センサー、風速・圧力・CO2センサーはwatanabeブランドで

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測温抵抗体の選定について

工業用精密温度測定の標準モデル
高精度かつ極低温の測定も実現

「測温抵抗体」は、金属の電気抵抗が温度の上昇とともに増加する特性を利用した温度センサーです。「熱電対」とともに工業用計測用として普及しているもので、watanabeセンサーソリューションの主力製品でもあります。
弊社製測温抵抗体の選定について、基本情報を解説いたします。下記の項目以外にも対応が可能なので、お気軽にお問い合わせください。

測温抵抗体の概要

測温抵抗体の素線には、純度99.999%以上の白金を使用。温度による電気抵抗変化率が高いため、測定値の安定性と高精度の計測結果が得られます。
ちなみに白金は、王水やハロゲン元素 (塩素、臭素、沃素など) に侵される以外は、一般的な酸やアルカリには侵されず、化学的に安定した金属です。

1. 測温抵抗体の種類

弊社では、「Pt100白金測温抵抗体」の他にも、「JPt100」「Ni508.4」などの抵抗体を使った製品を用意しています。
また、下表にない測温抵抗体でも「抵抗値表」をご用意いただければ、特殊対応品として製作可能な場合もありますので、お問い合わせください。

測温抵抗体の種類

2. 許容差

日本工業規格「JIS C 1604-2013」では測温抵抗体の許容差として「クラスAA」「クラスA」「クラスB」「クラスC」の4つが規定。通常はクラスAとクラスBを標準品として用意しています。
さらに独自規格としてクラスAAよりも高精度な「クラスS」をラインアップ。
※ クラスSの特性はJIS C 1604-2013に準拠

許容差

3. 測定電流

JIS C 1604-2013では測定電流を0.5mA、1mA、2mAのいずれかと規定しています。
弊社は、標準として1mAの素子を使用しています。

4. 導線方式

測温抵抗体を受信計器に接続する場合、結線方式には「2導線式」「3導線式」「4導線式」があります。弊社製品は、3導線式が標準となりますが、2導線式、4導線式も製作可能です。
なお2導線式の場合は、導線の導体抵抗による誤差が生じますので、お取り扱いにはご注意ください。

5. 素子数

素子数が1つの「シングルエレメント」と、素子数が2つの「ダブルエレメント」から選択可能(Pt100の「トリプルエレメント」にも対応可)。
製品によってシングルエレメントのみの場合もあるので、詳しくはお問い合わせください。

6. 使用温度

弊社製品で使用される「Pt100セラミック素子」は、-196~+600℃の範囲で使用可能。ただし、使用部材の関係で形状(型番) ごとに使用温度は異なります。そのため、各スペック表に記載されている使用温度範囲内で必ずご使用ください。

7. 特殊素子

・「カロリー演算用Pt100素子」

配管挿入型の測温抵抗体に使用し、2本1対でカロリー演算に用います。
0~+50℃の温度範囲内で2本の測定温度差が0.1℃以内を保証します。

・「組み合わせ素子」

Pt100、JPt100、Ni508.4から2つを組み合わせが可能(ダブルエレメント)。

8. 変換器内蔵「DC4~20mA出力」

端子箱付測温抵抗体に変換器を内蔵することでDC4~20mA出力が可能となります。

変換器内蔵「DC4~20mA出力」 [変換器仕様]
センサー入力:Pt100、Pt1000
出力:DC4~20mA(2線式)
精度:±0.15℃ または±0.075% of span または±0.075% of max rangeのいずれかの最大値
※maxrangeとは0%または100%の絶対値が大きい方
最大レンジ:-196~+600℃
電源電圧:DC9~35V
使用温湿度範囲:-40~+85℃、0~95%RH(非結露)
ハウジング材質:難燃性黒色樹脂
適合EC指令:EMI EN 61000-6-4
       EMS EN 61000-6-2

9. シース測温抵抗体の構造

「シース」とは「無機絶縁ケーブル」と呼ばれ、金属チューブ内に導線を入れ、絶縁物 (酸化マグネシウム) を固く充填したものです。
シース外径はφ3.2~φ8と細く、シース素材は、「オーステナイト系ステンレス (主にSUS316) 」が用いられます。
シースの先端から抵抗素子を挿入し、素子引き出し線とシースの導線を結線後、シース先端を封止します。

10. シース測温抵抗体の寸法

弊社のシース測温抵抗体は、「φ3.2」「φ4.8」「φ6.4」「φ8」の4種類の外径サイズを揃えています(シースの肉厚はシース外径の1/10以上)。

シース測温抵抗体の寸法

11. シース測温抵抗体の特長

12. 端子箱

通常は標準型端子箱を使用しますが、用途やセンサーの種類によって形状や材質の異なる端子箱をお選びいただけます。

端子箱

13. 保護管

保護管の材質は、「SUS304」「SUS316」などのオーステナイト系ステンレスが使われます。
腐食性雰囲気で使用する場合、チタンやフッ素樹脂を使うこともあります。そのような特殊用途は、お問い合わせください。
また、配管用には保護管の強度がその環境に適しているかどうかを診断する必要があります。
弊社製品は、いただいた仕様を元に「保護管の強度計算」を実施しております。

14. ねじ

ねじ付きの製品は、標準として「管用テーパねじ (R) 」と「管用平行ねじ (G) 」を掲載しております。
その他に「メートルねじ (M)」「アメリカ管用テーパねじ (NPT) 」にも対応できますので別途お問い合わせください。
また、既製品のねじサイズが分からない場合は、製品を弊社にお送りいただければ、同じ仕様のねじを製作することもできます。

15. フランジ

フランジ付きの製品の場合は標準としてJIS規格のフランジを掲載しております。
その他にJPIやANSI規格のフランジにも対応できますので、別途お問い合わせください。

16. リード線

リード線付きの測温抵抗体は、温度や使用条件に合せ、リード線の被覆材をお選びいただけます。
型番ごとに選択できる種類は限られますので、各スペック表をご参照ください。

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