ホーム chevron_right ナレッジブログ chevron_right 電力・デマンド chevron_right 消費電力の測定方法とは?工事不要で設備ごとに測る流れを解説

消費電力の測定方法とは?工事不要で設備ごとに測る流れを解説

電気代の削減や省エネ対策を進める上で、まず重要となるポイントは、どの設備がどれだけ電力を使用しているのかを把握することです。
しかし、工場やビルでは、設備ごとの消費電力を確認したくても「大掛かりな工事が必要そう」「設備を停止しないと測定できないのでは」と感じるケースも少なくありません。

近年では、CT(クランプセンサー)や産業用電力計を活用することで、既設の分電盤やキュービクルへ後付けしながら、設備単位の電力を測定・監視できるようになっています。
さらに、IoTゲートウェイやクラウドと連携することにより、遠隔からの見える化や継続的なエネルギー管理にも活用されています。

本記事では、工場やビルにおける消費電力の測定方法や、設備ごとの電力を把握するための基本的な流れをわかりやすく解説します。
測定方法に関するよくある質問もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

消費電力の測定方法

まずは、消費電力の測定方法をご紹介します。

CT(クランプセンサー)による測定

CT(クランプセンサー)を使った測定は、既存設備を止めずに消費電力を把握したい場合に適しています。
配線にセンサーをクランプするだけで電流を取得できるため、大掛かりな配線工事や停電作業を避けながら導入しやすいことが特徴です。

特に工場やビルでは、キュービクルや分電盤に後付けし、設備単位の電力使用量を継続的に監視する用途で利用されています。
モーター・コンプレッサー・空調設備など、消費電力の大きい設備ごとの傾向を把握するときにも有効です。

取得したデータは、IoTゲートウェイや無線センサーネットワークを通じて収集し、遠隔監視や見える化に活用することも可能です。

電圧・力率固定方式による簡易測定

工事負担を抑えながら設備ごとの消費電力を把握したい場合は「電圧・力率固定方式」も活用できます。
これは、CTで測定した電流値に対して、電圧と力率を固定値として設定し、電流値からおおよその消費電力を算出する方法です。

例えば、三相200V設備で力率を0.85に設定しておけば、取得した電流値からおおよその消費電力を把握できます。
厳密な計量用途には向きませんが「どの設備が多く電力を使用しているか」を確認する用途では十分に活用できます。

電力計・エネルギーモニターによる測定

より高精度に消費電力を把握したい場合は、産業用の電力計やエネルギーモニターを活用してください。
電圧・電流・力率を同時に計測することにより、有効電力や積算電力量をリアルタイムで確認できます。

また、時間帯ごとの推移や設備ごとの使用状況も把握しやすく、省エネ対策やデマンドコントローラーを用いたピーク電力の自動制御にも役立ちます。
近年では、CTセンサーを活用して既設の分電盤へ後付けできる製品も増えており、工場を停止せずに導入できるケースも珍しくありません。

工事なしで消費電力を測定する手順

ここからは、工事を行わずに消費電力を測定する基本的な流れを確認していきましょう。

手順1. 測定対象の設備と配線を確認する

まずは、どの設備の消費電力を測定するのかを明確にします。

分電盤内の回路や配線を把握しておくと、どこにセンサーを取り付けるべきか判断しやすくなります。
対象設備と無関係な回路を測定した場合、正しい数値は得られません。

また、単相か三相なのか、電源の種類も確認が必要です。
電源方式により、センサーの取り付け方法や測定方法が変わるため、事前に把握しておいてください。

手順2. クランプセンサー(CT)で電流を測定する

クランプセンサー(CT)を取り付ける際は、対象設備に流れている導体のみをクランプしてください。
複数の線をまとめて挟むと、電流が打ち消し合い、正しい値が取得できません。
単相の場合は片側の導体、三相の場合は各相にセンサーを取り付けます。

また、CTの向きにも注意が必要です。
矢印の向きを電流の流れる方向に合わせなければ、測定値が正しく表示されない場合があります。

手順3. 電圧と力率を設定する

電圧は、設備で使用している電源に応じて設定します。
単相100V・200V、三相200Vなど、実際の電源仕様に合わせてください。
力率とは、電力の有効利用の割合を示す値のことです。

厳密に測定する場合は専用機器が必要ですが、簡易的な測定であれば一般的な目安値(0.8〜0.9程度)を設定する方法もあります。

手順4. 消費電力を算出・確認する

単相の場合は「電力=電圧×電流×力率」で求めます。
三相の場合は「電力=√3×電圧×電流×力率」となり、三相特有の係数が加わります。

算出した値は、実際の設備の稼働状況と照らし合わせて確認してください。
想定より大きい、または小さい場合は、CTの取り付け位置や設定値に誤りがないか見直す必要があります。
この工程で得られた数値をもとに、設備ごとの消費電力を把握できます。

消費電力の測定方法に関するよくある質問

ここでは、消費電力の測定方法に関するよくある質問をご紹介します。

クランプメーターで消費電力は測定できる?

クランプメーター単体では、消費電力を直接測定できるとは限りません。
多くの機種は電流の測定が中心であり、そのままでは電力(W)まで把握できないためです。

消費電力を求めるには、電流に加えて電圧と力率の情報が必要です。
電流値だけでは、実際に使われている電力の大きさを正確に判断できません。

一部の高機能モデルでは、電圧や力率も含めて測定できるタイプがあります。
この場合はクランプメーターだけで電力を確認できますが、対応していない機種も多いため、仕様の確認が重要です。

有効電力はどのように測定する?

測定方法としては、電力計を使う方法がもっとも確実です。
電圧・電流・力率を同時に計測可能なため、リアルタイムで有効電力を確認できます。
一方、クランプセンサーを使う場合は、電流に加えて電圧と力率を設定し、計算によって有効電力を求めます。

三相電力もクランプで測定できる?

三相電力もクランプセンサーで測定できます。
ただし、単相とは測定方法が異なるため、ポイントを押さえておく必要があります。

三相の場合は、各相(R・S・T)それぞれにクランプセンサーを取り付けます。
1本だけでは正しい電流が把握できないため、3相すべてを測定してください。

その上で、電圧と力率を設定し「√3×電圧×電流×力率」の式で電力を算出します。

まとめ

消費電力の測定方法には、電力計やクランプセンサーなど、複数の手段があります。
用途や設備の規模に応じて選ぶと、効率よく電力を把握できます。

中でもクランプセンサーを使った方法は、工事不要で導入できる点が特徴です。
既存設備を止めずに測定できるため、現場への負担を抑えながらデータを取得できます。

渡辺電機工業株式会社では、クランプセンサーやIoT電力計を活用した消費電力の見える化をサポートしています。
設備ごとの詳細なデータ取得から、分析・改善提案まで一貫して対応しておりますので、電力管理の効率化を検討している場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者情報

渡辺電機工業マーケ担当

渡辺電機工業株式会社 マーケティング担当。IoT・遠隔監視ソリューションの情報発信を担い、工場・ビル・インフラ設備における遠隔監視システムの導入事例や最新技術トレンドを幅広く発信。現場の声をもとに、設備管理の効率化・リスク低減に役立つ情報を技術者から導入検討者まで幅広い読者へわかりやすく届けている。

Contactお問い合わせ

製品に関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。
弊社スタッフが迅速に対応させていただきます。