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IoTゲートウェイとは?仕組みや導入メリット、活用事例を分かりやすく解説

2026.01.22

IoT化やDX推進が進む中で、工場やビル設備のデータを効率よく収集・管理するために欠かせないのが「IoTゲートウェイ」です。
センサーや計測器、PLCなどから集めた情報をクラウドやサーバへ安全に送信し、設備の状態を見える化する役割を担います。

しかし、「IoTゲートウェイの仕組みがよく分からない」「自社ではどのように活用できるのか知りたい」と感じる担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、IoTゲートウェイの仕組みや導入するメリット、実際の活用事例を分かりやすく解説します。

IoTゲートウェイとは?仕組みやIoTルーターとの違い

IoTゲートウェイとは、現場に設置されたセンサーや計測器、PLCなどのデータを集約し、上位システムやクラウドへ中継するための中核装置です。
単なる通信機器ではなく、データの変換や一次処理、セキュリティ確保まで担います。
IoTルーターやエッジゲートウェイと混同されやすいものの、役割や機能には明確な違いがあります。

IoTゲートウェイの仕組みと特徴

IoTゲートウェイは、複数のIoTデバイスに代わってインターネットへ接続し、機器全体をまとめて管理する装置です。
IoTの現場では、数十台から数百台のセンサーや計測器を同時に運用するケースも珍しくありません。
すべての機器を個別にインターネットへ接続すると、通信コストが膨らみ、管理も煩雑になります。

そこでIoTゲートウェイが、通信の窓口として機能し、異なる通信規格の機器を一元的に集約します。
パスワード設定やアクセス制御、通信状況の確認をまとめて行えるため、現場運用がシンプルになります。

IoTゲートウェイとIoTルーター、エッジゲートウェイとの違い

IoTルーターは、設備やネットワークをインターネットへ接続するための通信機器です。
モバイル回線や有線回線を使い、データを外部とやり取りする役割に特化しています。
データの加工や複数機器の統合管理までは担いません。

エッジゲートウェイは、IoTゲートウェイの役割に加え、現場側での判断や分析まで行う装置です。
リアルタイム性が求められる処理を現場で完結させ、クラウドへの負荷を抑える用途で使われます。

役割用途
IoTゲートウェイ・データをまとめて集める
・形式をそろえて送る
・機器をまとめて管理する
・IoT基盤の構築
・設備データの見える化
IoTルーター・インターネット回線につなぐ
・データを外部へ送る
・通信環境の確保
・遠隔地設備のネット接続
エッジゲートウェイ・現場でデータを処理する
・異常をその場で判断する
・リアルタイム監視
・即時対応が必要な制御

IoTゲートウェイの役割

IoTゲートウェイの役割について紹介します。

現場データを集約するハブとしての役割

工場やビル設備では、電力計や温度センサー、流量計、PLCなど、多様な機器が稼働しています。
これらの機器は、通信方式やデータ形式が異なるため、そのままではデータを一元的に扱えません。

IoTゲートウェイを介することで、各機器からのデータをまとめて収集できます。
形式の違うデータを整理し、上位システムが扱いやすい形にそろえて送信することが可能です。

設備監視と異常検知を支える役割

IoTゲートウェイは、電流値や温度、稼働時間などのデータを継続的に収集するため、設備の状況を把握しやすくなります。
あらかじめ設定したしきい値を超えた場合、異常として検知できることも役割の一つです。
急激な数値変動や想定外の挙動を早期に察知し、トラブルの拡大を防げるため、迅速な対応につながります。

DX・スマートファクトリーの基盤となる役割

DXやスマートファクトリーを実現するためには、データを収集し、分析や改善を行う必要があります。
IoTゲートウェイは、生産管理システムやエネルギー管理システムと連携することで、設備の稼働状況や使用量を見える化することが可能です。
感覚や経験に頼らず、数値に基づいた判断ができます。
また、IoTゲートウェイを起点に、AI分析や自動制御へ発展させやすく、段階的に機能を拡張できることも強みです。

IoTゲートウェイの接続方法|有線・無線の違い

IoTゲートウェイの接続方法は有線と無線のどちらを選ぶかで、安定性や導入のしやすさが変わります。
そのため、現場の環境や用途を踏まえた上で選定することが重要です。

有線接続の特徴とメリット

有線接続は、LANケーブルなどを使ってIoTゲートウェイをネットワークへ接続する方式です。
通信が安定しやすく、外部環境の影響を受けにくいことが特徴です。
通信速度が安定しているため、データ量が多い設備監視や常時接続が必要な用途に適しています。

有線接続は、通信経路が明確なため、セキュリティ管理を行いやすいです。
外部からの不正侵入や通信内容の盗み見といったリスクを抑えやすく、機密性の高いデータを扱う現場でも導入しやすい方式といえます。

無線接続の特徴とメリット

無線接続は、LTEや5G、Wi-Fiなどを利用してIoTゲートウェイをネットワークへ接続する方式です。
配線工事が不要なため、導入までの手間を抑えられます。
既存設備への後付けもしやすく、短期間で運用を始められます。

また、設置場所の自由度が高いこともメリットの一つです。
屋外設備や配線が難しい場所でも設置しやすくなり、工場の敷地内だけでなく、離れた拠点や点在する設備の監視にも向いています。

IoTゲートウェイを導入するメリット

IoTゲートウェイを導入することで、設備の状態や使用状況を把握できるようになり、属人的な管理から脱却できます。
IoTゲートウェイを導入するメリットを紹介します。

生産効率が向上する

IoTゲートウェイを導入すると、設備の稼働状況をリアルタイムで把握しやすくなります。
どの設備が動いていて、どこで止まっているのかを数値で確認できるため、現場を回らなくても状況が分かることがメリットの一つです。

稼働データをもとに、無駄な停止や待ち時間を見つけやすくなり、生産計画の見直しや作業工程の最適化にもつながります。
その結果、安定した生産体制を築きやすくなり、生産効率の向上が期待されるでしょう。

予知保全が実現できる

IoTゲートウェイを活用すると、電流値や温度、振動などのデータを蓄積できるため、通常時との違いが見えやすくなります。
過去データと現在の数値を比較することで、異常の前触れを捉えることが可能です。

そのため、故障が起きてから対応するのではなく、事前に点検や部品交換を行う判断につながります。
また、保全作業のタイミングを最適化しやすくなるため、過剰な点検や不要な交換を減らせます。

セキュリティ対策を強化できる

IoTゲートウェイを導入すると、現場の機器外部からの不正アクセスを防ぎやすくなります。
通信の暗号化や認証設定をゲートウェイ側でまとめて行えることもメリットの一つです。
機器ごとに個別設定する必要がなくなり、設定漏れや管理ミスを防ぎます。

また、通信状況や接続状態を把握しやすくなるため、異常な通信が発生した場合も早期に気づきやすいです。

サービスの付加価値を高められる

IoTゲートウェイを導入すると、設備の稼働状況や使用実績を把握できるため、現場の状態を見える化することが可能です。
例えば、稼働データをもとにしたレポート提供や、使用状況に応じた提案が行いやすくなります。

これまで感覚的に行っていた説明や提案も、数値を根拠に示せるため、顧客や社内関係者からの信頼向上にもつながります。
また、データを継続的に蓄積することで、保全支援や運用改善など、付加価値の高い取り組みへ発展させやすくなるでしょう。

遠隔監視・分析が容易になる

IoTゲートウェイを導入すると、稼働状態や使用量、異常の有無を遠隔から把握できるため、確認作業の負担が減ります。
複数拠点をまとめて管理したい場合にも有効です。
データが自動で蓄積されることで、時間帯ごとの変化や設備ごとの傾向を確認でき、分析もしやすいです。

IoTゲートウェイの活用事例

IoTゲートウェイは、電力や設備の見える化にとどまらず、保全業務の効率化やトラブル対応の迅速化にも役立っています。
IoTゲートウェイが実際の現場でどのように使われているのか、活用事例を紹介します。

電気・水・ガス使用量をまとめて見える化した一元管理の事例

ビルや施設で使われる電気・水・ガスの使用量をまとめて見える化し、一元管理した取り組みを紹介します。

ガスメーターや電気メータからの計測信号を無線で送信し、IoTゲートウェイで受信・集約します。
集めたデータは管理側のシステムで時間帯別の使用量やトレンドを確認でき、日報や月報として出力も可能です。

ポイントは、現地の各メータを個別に確認する必要がなくなることです。
パルス信号をカウントするノードで電気・水・ガスの使用量を検出し、IoTゲートウェイに送信します。
ゲートウェイはWebサーバ機能を備えているため、担当者はブラウザから使用状況をリアルタイムで確認可能です。
また、時間帯別や日別の使用傾向をグラフ化することで、節電や省エネの取り組みにつなげられます。

チョコ停をリアルタイム監視し、停止要因を可視化した事例

製造ラインの短時間停止(チョコ停)をリアルタイムで監視し、停止原因の分析につなげた取り組みを紹介します。

【課題:PLC改造にかかるコストと負担を抑えたい】

  • PLCに監視機能を追加するには、改造費用や設計工数が大きな負担になる
  • 改造作業のために設備を止める必要があり、稼働率の低下が懸念される
  • 中小規模の現場では、人員やノウハウの確保が難しい

【提案:IoTゲートウェイを活用し、PLCを改造せずに監視を実現】

  • 既存設備に後付けしたリモートI/Oから稼働信号を取得
  • IoTゲートウェイ「Econo・DataChef」で1秒周期のデータを収集・監視
  • Webブラウザから稼働状況を確認できる仕組みを構築

【成果:チョコ停の傾向と原因を把握し、改善につなげた】

  • チョコ停の発生頻度や時間帯を把握し、傾向分析が可能になった
  • 停止前後のデータから、設備や作業に起因する原因を特定しやすくなった
  • データを共有することで、保全計画や作業改善に生かせるようになった

この事例では、PLCに手を加えることなく、IoTゲートウェイを中心としたシンプルな構成でチョコ停監視を実現しています。
導入時のコストや工数を抑えつつ、リアルタイム監視とデータ蓄積を両立したことが特徴です。

大型ビルの機械室設備を遠隔で監視した事例

大型ビルの機械室に設置された設備をIoTゲートウェイで監視し、管理業務を効率化した事例です。

【課題:機械室設備の管理に手間と属人性があった】

  • ガス・蒸気・温度・圧力などを人が定期的に計測・記録していた
  • 記録ミスや記入漏れが起きやすく、データの信頼性に課題があった

【提案:IoTゲートウェイと計測機器による自動監視の導入】

  • ボイラやポンプ、冷凍機などの計測データをIoTゲートウェイで収集
  • クラウドサーバと連携し、遠隔からデータを確認できる環境を構築
  • 既存の集中監視とは切り離し、シンプルで導入しやすい構成を採用

【成果:管理業務の効率化と監視品質の向上を実現】

  • 管理項目の記録が自動化され、リアルタイム確認と一括集計が可能になった
  • 作業工数と人為的な計測・転記ミスが減り、運用コストを抑えられた
  • データのグラフ化や帳票作成が容易になり、管理業務が効率化した

IoTゲートウェイを活用することで、機械室設備の管理を人手中心の運用からデータ中心の運用へ切り替えています。
日常業務の負担を軽減しながら、異常の早期発見や予兆監視にもつなげられることが特徴です。

屋外キュービクルの電力量を遠隔監視し、点検業務を効率化した事例

屋外に設置されたキュービクルの電力量をIoTゲートウェイで遠隔監視した事例です。

ビルや製造業の現場では、キュービクルの点検や電力量確認のために、現地へ足を運ぶ必要があります。
パルスピックセンサーノードを活用することで、電源工事を行わずに電力量の計測が可能になります。

電池駆動に対応しているため、屋外設備でも設置しやすいことが特徴です。
取得したデータは無線でIoTゲートウェイへ送信され、遠隔から確認できます。
この仕組みにより、現地確認の手間が減り、デマンド状況も把握しやすくなりました。

IoTゲートウェイを導入する際に知っておきたい選び方のポイント

IoTゲートウェイを導入する際に知っておきたい選び方のポイントを紹介します。

取り扱う機器やシステムとの適合性を確認する

IoTゲートウェイを選ぶ際は、まず接続予定の機器やシステムに対応しているかを確認する必要があります。
現場には、電力計やセンサー、PLCなど、さまざまな機器が混在しています。
通信規格や信号方式が合わなければ、データを正しく取得できません。

また、将来的な拡張も見据えることが重要です。
設備の増設や機器の入れ替えが起きても対応できるかを確認しましょう。
最初の構成だけで判断すると、後から制約が出ることがあります。

幅広い現場での導入実績がある企業を選ぶ

IoTゲートウェイは、設置環境や用途によって求められる仕様が大きく異なります。
そのため、特定の業種に限らず、幅広い現場での導入実績を持つ企業を選ぶことが重要です。
実績が豊富な企業ほど、現場特有の制約や課題を踏まえた提案を行いやすくなります。

実際の導入事例が多ければ、トラブルが起こりやすいポイントや注意点も事前に把握されています。
過去の経験をもとにした構成提案は、導入後の手戻りを防ぐ上で有効です。

渡辺電機工業は、創業85年以上の歴史を持ち、長年にわたって計測・監視分野に携わってきました。
豊富な実績と経験に裏打ちされた提案力により、多様な現場で培ったノウハウを生かしたサポートをします。

計測から分析まで一貫して任せられる企業を選ぶ

IoTゲートウェイを導入する際は、機器の設置だけでなく、その後のデータ活用まで見据えることが重要です。
計測はできても、データをどう分析し、業務改善につなげるかが整理されていないと、導入効果は限定的になります。

計測機器の選定からシステム構成、データの可視化や分析まで一貫して対応できる企業であれば、導入後の運用もスムーズです。
複数のベンダーを介さずに済むため、調整やトラブル対応の負担も軽減されます。

まとめ

IoTゲートウェイは、現場の設備データを集約し、見える化や分析につなげる中核的な存在です。
センサーや計測器、PLCなどから取得した情報を整理し、設備監視や業務改善の基盤を整えます。

生産効率の向上や予知保全、遠隔監視の実現など、導入による効果は多岐にわたります。
工場だけでなく、ビル設備や屋外設備など、さまざまな現場で活用されており、人手による管理に限界を感じている現場ほど効果を実感しやすいでしょう。

渡辺電機工業は、計測機器メーカーとして培ってきた実績と経験をもとに、IoTゲートウェイを活用した現場改善を幅広く支援しています。
現場に即した提案と豊富な導入事例を強みに、IoT活用を確実に前進させたい方をサポートします。

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