BACnet の基礎知識とwatanabe対応製品をご紹介
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省エネや快適性、安全性など、多様な機能が求められているビルディングオートメーション(BA)。
ビル自動管理制御システム(BACS)の重要性は、ますます大きくなっています。
BACnetは、そのBACSのサブシステムの通信仕様を統一する標準化オープンプロトコルです。
BACnetにより、空調・衛生・電気・照明・防犯・防災など、さまざまなメーカーのサブシステムを自由に組み合わせることができ、初期投資やライフサイクルコストを低減できます。
BACnetとは、ビルディングネットワークのための通信プロトコル規格です。正式名称は「Building Automation and Control Networking Protocol」。1995年にASHRAE(米国冷暖房空調工業会)によって制定された「ANSI/ASHRAE Standard 135-1995」をもとに、2003年にISO:16484-5として「BACS(Building Automation and Control System)」および「BACnet」が国際標準規格に登録されました。
最大の特長は、照明や空調などのビル設備のそれぞれがメーカー独自の仕様であっても、BACnet プロトコルを介してすべて接続できることにあります。このため、ビル内のさまざまなインフラ設備を、統合的に監視・制御・保安・保守するための通信規格として世界的に普及しました。大規模なビルシステムはもちろん、中小規模のビルや商業施設、ホテルや空港システムなどでも採用され、現在のビル制御プロトコルのデファクトスタンダード(業界標準規格)となっています。
国内では、BACnet 2004の仕様を日本仕様に拡張した「BACnetシステムインターオペラビリティガイドライン(IEIEJ-G-0006)」が電気設備学会によって発行され、この仕様に則った運用が主流になっています。
BACnetには、イーサネット上でBACnetサービスを通信するための「BACnet IP」プロトコルと、データ伝送の物理層にEIA-485(RS-485)を使用する「BACnet MS/TP」プロトコルがあります。
日本におけるこれまでのビルシステムは、空調や衛生、電気、照明、防犯、防災などの各サブシステムごとに、それぞれのメーカーが独自の通信仕様を用いていました。このため、メーカーの異なる複数のシステムを1つに統合するためには、専用インターフェース(ゲートウェイ、I・CONTなど)の開発などでイニシャルコストが膨らむとともに、運用管理を複雑化させる原因にもなっていました。
また、システムの変更・拡張に際しては新築時のメーカーに依存せざるをえず、しかも専用のソフトウェアの改修には多大な期間と費用が発生することが少なくありませんでした。
BACnetはオープンプロトコルのため、ビルシステムの「オープンシステム化」が可能です。特定のメーカーの機器や設備に依存することなく、空調や照明、セキリュティ等のインフラ機器を自由に組み合わせることができます。このため、多様化するオフィスビル環境にもっとも適した理想の「マルチベンダーシステム」を構築できます。
2020年の東京オリンピックに向けてビルの新築・リニューアル需要が高まり、IoTやICTの発展によって多機能化・高機能化が進み、中央監視システム・BACSはビルインフラとしての役割や重要度がさらに増していくことが予想されます。同時に、資源の有効利用や開発負担の低減、コストダウンおよびエンドユーザメリットの点から、異なるメーカーのサブシステムでも接続できる安価で信頼性の高いビルシステムが強く求められています。
BACnetによるオープンシステムは、「インタフェースなしにサブシステムと接続可能」、「制御の誤作動やデバイス間における混信等のエラーが発生しにくい」、「高速通信によりビル施設群の大量データを安定かつ高速に管理可能」。これにより、一つのビルでのBEMS(ビルディング・エネルギー・マネージメント・システム)はもちろん、複数ビルや地域規模での管理も可能。今、話題のスマートシティの実現にも貢献します。
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