配管内流体の温度を正確かつ安全に計測するためには、挿入長を適切な長さにし、設定場所を選ぶ必要があります。
適切な挿入長
挿入型温度センサーを使用し、配管やダクト、タンク内の測定対象の温度を計測する際、できるだけ温度センサーを測定対象と熱的に平衡状態にする必要があります。周囲からの熱伝達や熱伝導の影響を受けにくくするためには、保護管の実挿入部分を長くし、測定対象と十分な長さで接触させなければなりません。
一つの目安としては保護管全長は保護管外径の15~20倍以上とし、実挿入長は保護管全長の2/3以上とすることが望ましいと言われています。但しこの値は設置場所の周囲温度や測定対象の温度等の環境によって異なりますのであくまでも目安と考えてください。
また、あまり細すぎる保護管は強度上の問題が生じる場合がありますのでご注意ください。

適切な挿入長が確保できない場合
配管径が小さく適切な挿入長が確保できない場合には、保護管を流れの上流方向に傾けた斜交取り付けを行うか、エルボ部に設置する対向取り付けとしてください。

設置場所の選択
温度センサーを永く安全にご使用いただくために下記事項を考慮して設置場所を選択してください。
- 配管やダクト自体が振動するような所への取り付けは避けてください。
- 測定対象の代表的温度を検出できる場所を選んで取り付けてください。
- 結露した水や雨水が端子箱に溜まらないようにするために、下図の取り付け可能範囲内で取り付けてください。
- 配管内で流れの変化が起きる箇所(バルブ、ポンプ、流れの合流点等)の近傍への取り付けは避けてください。
- バルブやポンプの場所から最低でも10 D(Dは配管径)以上離れた位置で、衝撃流(脈流)が無い場所を選んで設置してください。

