シースとは金属のチューブの中に導線を入れ、酸化マグネシウムを固く充填して絶縁したものです。
シース先端部で内部の熱電対素線を溶接し、先端を封止したものをシース熱電対と呼びます。
シース熱電対の構造
- シースとは一般的に無機絶縁ケーブルと呼ばれ、シース内に導線(熱電対素線)を入れ絶縁物(酸化マグネシウム)を固く充填したものです。
- シース外径はφ0.5~φ8と比較的細い形状であり、シース材質はオーステナイト系ステンレス鋼(主にSUS316)または耐食耐熱超合金(主にNCF600)が用いられます。
- 測温接点の形状は、シース内部で熱電対素線を溶接し、シース先端を封止した構造を「非接地型」といい、シース先端を封止する際にシースと素線を一緒に溶接した構造を「接地型」と呼びます。



シース熱電対の寸法
JIS C 1605 – 1995 ではシース外径を下表の通り規定しています。また、熱電対素線の径はシース外径の15%以上、シースの肉厚はシース外径の10%以上と規定されています。
(注)弊社標準はφ0.5、φ1.0、φ1.6、φ3.2、φ4.8、φ6.4、φ8.0となります


シース熱電対の特長
- 柔軟性に優れているため、曲げ加工が可能です。
- 長尺のものが製造可能です。(注)最大長さはシース外径により異なります
- 外径が細いので、狭い場所への設置や、早い応答速度を求められる際に有利です。
- 絶縁材が固く充填されているため、比較的振動に強く耐圧強度が高いのが特長です。
- 熱電対素線が外気から遮断されているため、シース材質を適切に選択することにより酸化および腐食性の雰囲気でも使用が可能です。
シース熱電対の常用限度
シース熱電対は素線の種類、シース外径、シース材質によって使用できる温度が異なり、JIS C 1605では常用限度として下表の通り規定されています。常用限度とは、空気中において連続使用できる温度の限度をいいます。
