計測制御機器用語辞典
演算器
演算器とは?
信号変換器の役割のひとつに「信号形態の変換」があります。
演算器は、その特性を色々な用途に合わせた形で演算して変換します。
1つの入力に対して演算を行うタイプ(1入力演算器)と、2つの入力に対して演算を行うタイプ(2入力演算器)があります。
代表例は下記のとおりです。
★1入力演算器★
①比率設定器
ある信号に対して一定の比率でレシオ(×○○など)やバイアス(±○○%など)を与えて出力させたいときに使用します。 例えば、液体処理に薬品を注入する場合、比率設定器を使用して液体の流量に対して一定の比率で薬品が注入されるようにできます。
②一次遅れ変換器
センサから出力される信号が、0からいきなり最大値に変化するような場合、そのまま変換すると影響を及ぼす 場合があります。そんなときにショックアブソーバとして一次遅れ変換器を使用し、滑らかな変化をする信号に変換します。 変化は時定数で決められた2次曲線を描きます。
③傾斜応答変換器
出力信号の変化速度を制限する変換器です。ステップ応答など急激に上昇・下降を繰り返すような場合に使用し、 決められた時定数で変化させます。一次遅れ変換器と機能は似ていますが、こちらの場合、変化が2次曲線を描かず直線的に変化します。
④反転変換器
入力信号と出力信号を逆の関係にしたい場合に便利な変換器です。例えば真空計などは出力される信号と真空度が逆の関係にありますので、 センサの信号をメータに表示させる場合、反転変換器などで信号を反転させる必要があります。
⑤ピークホルダ
入力信号(アナログ)の最大値(ピーク値)を検出し、その最大値に比例した出力値を保持(ホールド)して出力しつづける変換器です。 最大値が更新されれば、出力値も更新した値を出力します。外部接点のホールド端子をONにすることで機能します。OFF時は通常のアイソレータとして機能します。
⑥ボトムホルダ
ピークホルダは最大値(ピーク値)を保持(ホールド)しますが、ボトムホルダでは最小値(ボトム値)を検出し、その最小値に比例した 出力値を保持(ホールド)して出力しつづけます。最小値が更新されれば、出力値も更新した値を出力します。外部接点のホールド端子を ONにすることで機能します。OFF時は通常のアイソレータとして機能します。
⑦ピークツーピークホルダ
入力の最大値(ピーク値)と最小値(ボトム値)の差に比例した割合の出力をします。例えば、ピークが入力の80%、ボトムが入力の20% だった場合、出力は60%となります。最大値、最小値が更新されれば、出力値も更新した値を出力します。外部接点のホールド端子をONに することで機能します。OFF時は通常のアイソレータとして機能します。
⑧アナログホルダ
外部接点のホールド端子をONにすることで、その瞬間の入力の値に比例した出力値を保持して出力しつづけます。外部接点のホールド端子を ONの時は、入力に変化があっても、ホールド端子ON時の出力を保持して出力しつづけます。
⑨リミッタ(信号制限変換器)
あらかじめ設定した上限値と下限値を超える入力があっても、その設定値範囲を超える出力をしないよう制限する変換器です。 設定した上限値以上、下限値以下の出力がされませんので、安全保持回路の構成などでお使いいただけます。設定は、前面のモニタ端子に より行います。
⑩絶対値演算器
極性付きのアナログ信号を入力し、その絶対値に比例した信号を出力する変換器です。例えば±10V入力の場合、-10V時も+10V時も同じ出力となります。
★2入力演算器★
①加算器・減算器
信号Aと信号Bを加算または減算する変換器です。それぞれの信号に係数(10~100%)をかけられます。例えばタンクのレベル制御などで使用します。
②掛算(乗算)器・割算器
信号Aと信号Bを乗算(掛け算)または割算(割り算)する変換器です。それぞれの信号に係数(10~100%)をかけられます。例えば粘度・密度の温度補正等に用います。
③セレクタ
信号Aと信号Bのうち、どちらか高い方または低い方の信号を選択してその入力に比例したアナログ出力を行う変換器です。「ハイセレクタ(大信号選択)」は高い方の信号を選択し、「ローセレクタ(小信号選択)」は低い方の信号を選択します。例えば、温度分布を測定し、冷却水量を調節する際等に用います。

