計測制御機器用語辞典

計測制御機器の専門家です。計測制御機器のプロフェッショナル集団・渡辺電機工業が、専門用語を分かりやすく解説いたします。

電流

電流とは?

1.電流の向きと電子の移動方向

電気量の最小単位は「+」が陽子で「-」が電子です。
陽子または電子が動いた時、‘電流が流れた’と言います。

もし、電子がAからBへ移動したとすると、Aは「-」側、Bは「+」側になります。(電子は-なので+側へ向かいます。)この時電流は「+」側から「-」側へ流れます。
これは、昔、電気についてまだよくわからなかった頃、電気は「+」から「-」へ流れるものと決められていました。その後、電気の正体が電子であり、その移動する方向は、「-」から「+」であることがわかりました。このため、電子の移動する方向と電流の流れる方向は逆になってしまったのです。
            
2.電流の大きさ

電流の大きさは、ある断面積を1秒間に通過する電気量で表します。
たとえば、ある断面積を1秒間に1C(※)の電荷が通過した場合、電流 I は、電荷 Q を時間 t 秒で割り算して求めることができます。

電流 I =Q/t=1[C]÷1秒=1[A]

になります。また、1Cを電子1個分の電気量で割れば、1Aで流れる電子の数を求めることができます。

1C÷1.602×10-19C=6.24×1018個

つまり、1Aの電流が流れているとき、電子は毎秒6.24×1018個流れています。

           ※C(クーロン)・・・1秒間に1A(アンペア)の電流によって運ばれる電荷(電気量)

3.電子の速さと電流の速さ

さて、電気の伝播速度は光の速度、つまり光速(30万km/秒)です。では、電子が電線の中を光速で走っているのでしょうか?
もし、電子が光速に近い速さで動いていれば、アインシュタインの「物体は光速に近づけば質量が増大する」に従い電線が重くなり切れてしまいます。

実は電子の移動速度は大変遅く、毎秒1cm以下です。(105(m/秒)ぐらい )
電圧をかけたからといっても速度はほとんど変化しません。({10-5(m/秒)}ぐらい)
しかし、電圧をかけたら全電子は同一方向の速度(熱運動に比べ極めて小さい)ベクトルを得ます。

これが電流であり、オームの法則(V=A×Ω)が広範囲の電流に対して成り立つ理由なのです。
    
電子は光速で動いていないのに電流は光速で伝わることを、難しい言葉でいえば・・・存在確立は光速で伝達しないが、波としての伝播速度は光速で伝わるということです。

この事を、1960年に発生したチリ地震を例にして考えてみます。

1960年、チリのバルディビア近海を震源として地震が発生しました。日本を始め、環太平洋全域に津波が襲来しました。日本でも大きな被害が出ました。

チリ地震が発生してから、22.5時間後に日本に津波が襲来しました。
日本とチリの距離は18,000kmなので、

18,000÷22.5=800km

津波は時速800kmの速さで日本に向かってきたのです。

しかし、チリの海水が時速800kmで日本に向かってきたわけではありません。
チリの海水及び太平洋の海水は、波の山から崩れる程度の速さでしか動いていないのに、波の速さは時速800kmとなるのです。

◆電子=海水
◆電流の速度(光速)=波の速度