平素は格別のお引立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
東日本大震災で被災された方々におかれましては、困難な状況が一刻も早く改善、解消に向かうことを念じております。
大震災、大津波、原発事故という未曾有の苦難の中ある日本人ひとりひとり。
置かれた状況に差があるとしても、心の中に等しく持っているのは、日本復興には経済活動の活性化が不可欠であるとの思い。
その観点から、あらゆる産業の原動力である電力の供給が不足するという異常事態の打開に少しでもお役に立ちたいとの思いで、基礎的なものに過ぎませんが情報を提供させていただきます。
前号では、政府、電力需給緊急対策本部(現在は電力需給に対する検討会合)が5月13日に発表した「夏期の電力需給対策について」に基づいて、需要家に要請されている事項に関する情報を提供させていただきました。
この号では、5月25日に発令された電力使用制限令の補足的な説明をさせていただいたうえで、その対応策としてお役に立つと思われる、より実践的な情報として、デマンド監視装置(デマンドコントローラ)の働きについてご紹介させていただきます。
さて、経済産業省は電気事業法第27条による電気の使用制限を発動しました。
http://www.meti.go.jp/earthquake/shiyoseigen/index.html
これに伴って、東京電力管内及び東北電力管内の需要家に対して、大口需要家に対しては電力の使用制限が義務付けられ、小口及び家庭に対しては削減努力が要請されました。いずれも昨年のピーク需要期に対して15%以上の削減を求めています。
ここで、使用最大電力の定義に関して、前号のこのブログで、紛らわしい説明をした箇所について、訂正をさせていただきます。
前号で、「今回の電力需給対策では、瞬間、瞬間の使用電力(kW)のピークにおいて、昨年の同時期に出した最大電力の85%の値より大きなピークを出さないようにする使い方を求めているのである。つまり使用電力値×使用時間で求められる面積としての使用電力量を削減したとしても、ピーク電力として見たときの電力が瞬間的に大きな値を示してしまえば目的を果たせないことになるのだ」。
と述べましたが、論旨としては誤りではないのですが、ここでの「瞬間」の電力という語句は適切ではなく、「瞬間」を「1時間単位」の電力とするべきでした。
つまり正しくは、「今回の電力需給対策では、使用最大電力(1時間当たりの平均使用電力の最大値)が、昨年の同時期に出した使用最大電力の85%より大きなピークを出さないような使い方を求めているのである。つまり使用電力×使用時間で求められる面積としての使用電力量を削減して節電したとしても、1時間単位のピークで見たときの電力が大きな値を示してしまえば目的を果たせないことになるのだ。」とすべきでした。
経産省が5月25日に公表した資料で、使用最大電力(基準電力)とは、1時間当たりの平均使用電力の最大値であると、明確に規定しました。
同時に、使用電力の瞬間最大値ではないことに注意との注釈が添えられています。
今回、明確に定義が示されましたので、前述の通りに訂正させていただきます。
(独り言・・・突発大規模停電を防止するには、瞬間最大電力を供給可能最大電力以下に抑えることが直接的因果関係にありますし必須なのですが、厳密な意味での過去の瞬間最大電力を家庭、小口需要家はもちろん大口需要家であっても把握していることは、現実的には期待できません。実用的な面を考えても、瞬間とは説明すべきではありませんでした。)
さて、この電気使用制限の対策に、市販されている機器で即座にマッチするものとして、デマンド監視装置(デマンドコントローラ)と呼ばれる装置があることをご紹介して、前回は終了しました。
ここからはデマンド監視装置(デマンドコントローラ)の具体的な働きについて話を進めてまいります。
電気料金はご承知の通り、基本料金と電力量料金とで構成されている。
このうち基本料金は、原則として過去1年間の最大使用電力を基に決定される。過去1年間を30分単位で区切り、1時間に換算したうえで最も大きかった使用電力、これを通常は最大需要電力(最大デマンド電力)と呼ぶのですが、この最大需要電力に基づいて契約電力と基本料金が決定される。
つまり、1年間のわずか30分の間に出した最大値でその後の1年間の基本料金が決められてしまうのだ。
一方の電力量料金は、実際の使用電力量に比例して課金される。
この最大需要電力および使用電力量は、電力会社が各需要家の受電設備、多くはビルの屋上か地下室、工場の場合は受変電所の付近、あるいは付近の電柱等に、家庭においては外壁等に取り付けている取引用電力量計で測定している。
デマンド監視装置はこの取引用電力量計から出力されるパルス信号を検出して、消費電力を測定するとともに、電気をそのまま使い続けると契約電力(または目標電力)を超過することが予測される場合には、警報を発報する。この警報は、ランプやブザーを鳴らすことにも、あらかじめ指定しておいた電気機器の負荷を遮断し、電気の超過使用を自動で防止する働きをさせることにも使える。
もともと、電力供給が逼迫していなかった時においても、節電に有効な働きをするものとして採用されてきたが、今夏は特に電力供給に大きな制約が生じている中で、ピーク電力対策と節電対策としてより注目を浴びている。
さて、このデマンド監視装置は通常、前述の最大需要電力を低下させ基本料金を削減する目的で、目標電力として契約電力を一定限下回る値を設定して使われる。
そこで、デマンド監視装置が電気事業法27条対応として果たせる役割としては、電気使用制限令で規定している基準値の85%以下の値(即ち、大口需要家に通知された「指定する電力値」)を、デマンド監視装置に目標電力として設定しておけば、実際の使用電力が基準値の15%減相当値を上回らないように、警報に応じた手動操作または自動で超過を防止できることである。
さらに便利な機能のひとつとして、電子メールによって注意、警報、遮断等のアラームを発報できるものがあり、離れたところにいる場合でも現場の事態を察知し対処することが出来る。
また、デマンド監視装置によっては空調機の室外機を、快適性を損なわない範囲で断続的に運転し、電気の使用を節減する間欠制御機能を持っている。
加えて、一部のデマンド監視装置は、使用電力の詳細データの収集、つまり電力使用状態を「見える化」する機能を備えており、これを活用すると、帳票や比較グラフを作成することや、使用電力量を前日、前月や前年と比較することが可能になり、隠れている無駄をピンポイントで把握して、効率的な省電力対策を継続的に行える。
従って、大口需要家ならずとも、利用価値は大きいものがある。
ここまでにご紹介したデマンドコントローラを適正に運用した場合の効果をまとめると、
1.警報機能、遮断機能を活用することによって、使用最大電力を目標電力以下に
抑えて、電力使用制限令への対応が図れるとともに、定額料金である基本料金
を低減できる。
2.警報を利用してピークカット、ピークシフトを、手動ないし自動負荷遮断で行え
ば、従量制の使用電力量料金を低減できる。
3.空調機等の間欠制御機能を働かせれば、快適性と省電力・ピークシフトを両立
できる。
4.使用電力の詳細データを取得する機能を活用すれば、テータを活用して無駄
の発見と削減を継続的に行える。
5.ネットワーク対応のデマンドコントローラを使用すれば、複数のパソコンから
リアルタイムで電気の使用状態を見ることができ、省エネ活動を全社展開できる。
6.蛇足であるが、大口需要家においては、故意による使用制限違反と見做された
場合に、1時間毎に100万円以下が課される罰金を、回避する対策となる。
政府の要請に応えて、今夏における使用最大電力を前年同時期の最大値比15%減以下へ抑制する対策に、デマンド監視装置が有効な機能を備えていることをお分かりいただけたことと思います。
このようにピーク電力抑制と節電の達成に効果を期待できるデマンド監視装置は、多くのメーカーから様々な製品が供給されています。
その中から、ニーズにマッチするデマンド監視装置を選定する場合に、考慮しておきたい事項を書き添え、ご参考に供させていただきます。
使用電力の節減は、申すまでもなく、決して一過性の課題ではありません。
原子力発電の問題一つをとっても、電力の安定供給、電力料金の高騰は避けられそうにないことは容易に想像できます。
従って、電力使用制限令に発して対策を講じられる場合にあっても、今回の対策を今後の継続的取り組みの第一歩であると位置づけて推進されることをお勧めします。
そして、その一歩は、今後必ず求められる継続的な電力節減対策の推進にふさわしいものでなくてはならないと思います。
従って、採用されるデマンドコントローラを初めとする、電力監視管理機器及びシステムは、将来に向け無駄なく、スムーズに展開可能な機能・性能を有しているものなのか、限定された機能・性能の中では優れていると思われていても、拡張性が乏しいものでないか、拡張や変更にあたって思わぬ費用を必要とするのもでないかを、しっかりと見定めて選定することをお勧めします。
以上、今夏の電力供給不足への対応策をお考えの方々に向けて、電気の使用制限に関連する基礎的な情報、ならびに、使用最大電力のピークカット・ピークシフト対策、それに、節電をデマンドコントローラで実現する場合の参考情報を提供させていただきました。
少しでも対策の促進にお役にたてば幸いです。
ここからは少し、渡辺電機工業のPRとしての、HOT NEWSをお知らせします。
大震災を受けて発生した電力不足という未曾有の難局打開に、是非ともお役に立ちたいとの思いを強くしている中で、今までに約800件を超える大規模電力監視システムの納入実績と技術を結集して、弊社が最優先で提供すべき製品は何かを、様々検討致しました。
そのさなかに、超小型でありながら、多機能かつ使い易く、安価で、WEBに対応している。
そんなデマンド監視装置(デマコン)があったら、という声が大きく聞こえてきました。
加えて、今般の電気使用制限令の発動に背中を押されて、電気供給不足に速やかに貢献したいとの思いを託したデマンドコントローラの新製品を、7月から提供させていただくことを決定しましたので、謹んでお知らせ申し上げます。
興味をお持ちいただけた方は、ホームページをご参照ください。
また、詳しくは、 mailto:support@watanabe-electric.co.jp に資料をご請求ください。
拙い長文を、最後までお読みいただきましてありがとうございました。